森保一の戦術は日本代表をどう変えた?W杯グループリーグからブラジル戦まで徹底分析


今回の日本代表は、グループリーグでオランダ、チュニジア、スウェーデンと対戦し、2分1勝の無敗でグループFを2位通過しました。

最終戦のスウェーデン戦は1-1で引き分け、日本は勝点5で決勝トーナメント進出を決めています。

その後のブラジル戦では1-2で敗れたものの、前半を1-0で折り返し、後半アディショナルタイムまで世界屈指の強豪を追い詰めました。

つまり、今回のW杯で見えた森保一監督の戦術は「守備的だった」「カウンター狙いだった」という一言では片づきません。

によって守り方、前から行く時間、ボールを持つ時間を変えながら、現実的に勝点を積み上げていく戦い方でした。

目次

森保一の戦術は相手によって変わる

基本は3バックだが、目的は守備だけではない

森保ジャパンの基本形は、3バックを軸にした戦い方です。
ただし、3バックだから守備的というわけではありません。

日本代表の場合、守備時は5バック気味になってスペースを消し、攻撃時にはウイングバックが高い位置を取り、サイドから一気に前進します。

相手が強ければ低い位置で耐え、相手を押し込める展開なら人数をかけて攻める。ここが森保監督の戦術の特徴です。

今回のW杯でも、同じ3バック系でも試合ごとに中身は違いました。

・オランダ戦は、強豪相手に無理をしすぎず、耐えながら勝点を拾う戦い
・チュニジア戦は、早い時間に主導権を握り、攻撃で押し切る戦い
・スウェーデン戦は、突破を意識しながらリスクを管理する戦い
・ブラジル戦は、守備のコンパクトさとカウンターで勝機を作る戦い

形だけを見ると似ていても、狙いは試合ごとに変わっていました。

森保監督の強みは試合中の修正力

森保一監督の戦術でよく言われるのが、試合中の修正力です。

2022年W杯のドイツ戦でも、前半に苦しんだ日本は後半にシステムを変え、流れを一気に引き寄せました。

今回のW杯でも、相手の出方を見ながら、前から行く時間と引いて守る時間を使い分けています。

これは派手な戦術ではありません。
しかし、W杯のような短期決戦ではかなり重要です。

相手の力を受け止めながら、どこで勝負をかけるかを見極める。森保ジャパンは、この部分で以前よりかなり成熟したチームになっていました。

グループリーグ3試合で見えた戦術

オランダ戦は「耐えて勝点を取る」現実路線

初戦のオランダ戦は、日本にとってかなり重要な試合でした。
ここで負けると、残り2試合に大きなプレッシャーがかかります。逆に引き分け以上で入れれば、グループリーグ突破の可能性はかなり広がります。

結果は2-2。日本は2度追いつく形で勝点1を取りました。

Japan Timesは、日本がオランダ戦で2度ビハインドから追いつき、鎌田大地のゴールで2-2に持ち込んだと伝えています。

この試合の戦術的なポイントは、無理にオランダと真っ向勝負をしなかったことです。
オランダはサイズもあり、中央にもサイドにも強い選手がいる相手です。

そこで日本は、守備ブロックを崩しすぎず、奪った後に素早く前へ出る形を狙いました。

オランダ戦は森保ジャパンにとって「勝ちに行く試合」というより、「負けないことで大会に入る試合」でした。

この判断はかなり現実的です。初戦で勝点1を取ったことで、次のチュニジア戦に攻撃的に入る土台ができました。

チュニジア戦は「攻め切る」戦術が出た

第2戦のチュニジア戦では、日本の戦い方が一気に変わりました。

相手がオランダほどボールを支配するタイプではなかったため、日本は前から圧力をかけ、早い時間に先制点を奪いに行きました。結果は4-0の快勝。

Japan Timesは、日本がW杯通算1000試合目となったこの試合でチュニジアを4-0で下し、上田綺世が2得点を挙げたと報じています。

この試合で見えたのは、森保ジャパンが守備だけのチームではないということです。

日本はボールを奪った後、サイドを使って速く前進し、相手の守備が整う前にゴール前へ入っていきました。

序盤から得点できたことで、チュニジアは前に出ざるを得なくなり、日本はさらにスペースを使いやすくなりました。

ここで重要なのは、相手によって戦い方を変えた点です。

オランダ戦では無理に前へ出すぎず、まず勝点を拾う。

チュニジア戦では、勝てる相手に対してしっかり勝ち切る。

この2試合を続けて見ると、森保一監督の戦術はかなり大会向きだったことが分かります。

W杯では、すべての試合で同じサッカーをする必要はありません。

相手との力関係を見て、勝点を最大化することが大切です。

スウェーデン戦は「突破を考えた試合管理」

第3戦のスウェーデン戦は、グループリーグ突破がかかる試合でした。

結果は1-1。日本は後半に前田大然のゴールで先制しましたが、その後にスウェーデンのアンソニー・エランガに同点ゴールを許しました。

それでも終盤には鈴木彩艶がアレクサンダー・イサクのヘディングを防ぎ、引き分けで突破を決めています。

この試合は、勝つことだけを考えれば物足りなさもありました。

ただ、グループリーグ全体で見ると、森保監督はかなり冷静に試合を進めていました。

日本はチュニジア戦で4-0と大きく勝っていたため、得失点差の面でも優位に立っていました。

スウェーデン戦では、無理に前がかりになって逆転負けをするより、勝点を確実に拾うことが重要でした。

もちろん、先制後に追加点を奪えなかった点は課題です。

ただし、W杯のグループリーグでは「勝ち切る力」と同じくらい「負けない力」も大切になります。日本はこの試合で勝点1を取り、無敗のまま2位通過しました。

森保ジャパンの戦術は、ここでも現実的でした。

理想を追いすぎず、突破という結果から逆算して試合を進めたと言えます。

ブラジル戦で通用した部分と限界

グループリーグで見せた守備戦術はブラジルにも通用した

決勝トーナメント1回戦のブラジル戦では、日本はグループリーグで見せた戦術をさらに研ぎ澄ませました。

特に前半は、守備の距離感が非常に良かったです。

最終ラインと中盤の間を大きく空けず、ブラジルの選手に中央で自由に前を向かせませんでした。

Reutersも、日本が前半にブラジルのパスを切り、スペースを消しながら1-0で折り返したと伝えています。

これは、オランダ戦で見せた「耐える戦術」の応用です。

ただ引いて守るのではなく、ボールの出どころには圧力をかけ、危険なエリアだけは消す。

ブラジルにボールを持たれても、決定的な場面を簡単には作らせませんでした。

さらに、奪った後のカウンターも効いていました。

佐野海舟の先制点は、ブラジルのミスを見逃さず、一気にシュートまで持ち込んだ場面です。

森保監督が重視してきた「守備から攻撃へ」の切り替えが、世界トップ相手にも通用した瞬間でした。

右サイドの守備はかなり機能していた

ブラジル戦で特に評価できるのは、ヴィニシウス・ジュニオールへの対応です。

Guardianは、日本が非常にコンパクトに守り、冨安健洋と堂安律が右サイドでヴィニシウスの得意なエリアを消していたと分析しています。

これは森保監督の戦術準備がかなりうまくいっていた部分です。

ブラジルのような相手に対して、すべての選手を完全に止めることはできません。

だからこそ、最も危険な選手にどこでボールを持たせるか、どこに追い込むかが重要になります。

日本は前半、その狙いをかなり高い精度で実行していました。

ブラジルにボールを持たれても慌てず、危険な場所だけは閉じる。

これは、グループリーグで積み上げてきた守備戦術の延長線上にある戦い方でした。

後半はブラジルの修正力に押し返された

ただし、ブラジル戦は前半だけでは終わりませんでした。

後半に入ると、ブラジルはエンドリッキを投入し、形を変えて攻撃の圧力を強めました。

Guardianは、ブラジルが後半から4-2-3-1に近い形へ変わり、クロスを中心に日本を揺さぶったと伝えています。

ここから日本は、少しずつ押し込まれる時間が長くなりました。

守備で耐えることはできていましたが、ボールを奪った後に前へ出る力が前半ほど残っていませんでした。

カウンターの距離が長くなり、攻撃に人数をかけにくくなったことで、ブラジルに再び攻める時間を与えてしまいました。

森保監督も試合後、強豪相手にボールを保持される時間への対応や、攻守の切り替えを改善点に挙げています。

ここが、森保ジャパンの次の課題です。

守備で耐えるだけでなく、相手の圧力が強まった時間帯に、どうやってボールを握り返すか。

これができれば、日本代表はさらに上のステージへ行けますね!

最後の失点は「勝ち切る難しさ」を示した

ブラジル戦の決勝点は、後半アディショナルタイムでした。

Guardianは、田中碧が自陣ボックス付近でボールを奪われ、その流れからブルーノ・ギマランイスが冷静にマルティネッリへつなぎ、決勝点が生まれたと伝えています。

この失点は、森保ジャパンの戦術が通用しなかったというより、強豪相手に勝ち切る難しさを示した場面でした。

日本はグループリーグで無敗でした。

チュニジアには4-0で勝ち、オランダとスウェーデンには引き分けました。

ブラジル戦でも前半はプラン通りに進めました。

それでも、最後の数分で勝負を決められるのが世界トップの怖さです。

日本代表は「戦えるチーム」にはなっています。

しかし、ベスト8以上を本気で狙うなら、終盤のボール保持、時間の使い方、リスク管理をさらに磨く必要があります。

主力と言える三苫薫選手、久保建英選手、遠藤航選手、南野拓海選手の不在はブラジル戦では層の厚さの部分で、もしこの4人が入れば戦術的にも大きく変わったのではないでしょうか

森保ジャパンの今後の課題

課題はボールを持って休む時間を作ること

今回のW杯で一番はっきりした課題は、強豪相手にボールを持って休む時間を作れるかどうかです。

森保ジャパンは、守備から攻撃への切り替えはかなり鋭くなっています。

チュニジア戦のように相手を押し込める試合では、攻撃の形も十分に出せました。

スウェーデン戦でも、堂安律や上田綺世が絡んだ形から前田大然のゴールが生まれています。

しかし、オランダ戦やブラジル戦のように相手の圧力が強い試合では、守備の時間が長くなります。

その時に、奪ってすぐ前へ行くだけでは苦しくなります。

時には後ろでつなぎ、相手のプレスを外し、試合のテンポを落とす必要があります。

これができるようになれば、日本代表は「善戦するチーム」から「勝ち切るチーム」に近づきますよね。

森保一の戦術は世界に近づいている

今回のW杯を見る限り、森保一監督の戦術はかなり世界に近づいています。

オランダ戦では勝点1を拾い、チュニジア戦では4得点で勝ち切り、スウェーデン戦では突破に必要な結果を残しました。

そしてブラジル戦では、前半だけなら世界王者候補を上回る時間帯すらありました。

これは偶然ではありません。

相手に合わせて戦い方を変え、試合ごとに勝点を積み上げる力があったからです。

一方で、ブラジル戦の後半に見えたように、相手が修正してきた時にもう一度試合を動かす力はまだ足りませんでした。

森保監督の戦術は完成形ではなく、成長途中だと思います。

まとめ

森保一監督の戦術は、今回のW杯でかなり明確に見えました!

グループリーグでは、オランダ戦で耐えて勝点1を取り、チュニジア戦で攻め切って4-0の勝利、スウェーデン戦で引き分けて無敗突破。

相手によって戦い方を変えながら、現実的に結果を積み上げました。

ブラジル戦では、その集大成とも言える戦い方を見せました。

前半は守備のコンパクトさ、カウンター、サイドの対応が機能し、ブラジルを本気で追い詰めました。

ただし、後半に相手が修正してきた後、ボールを保持して流れを変える力や、終盤のリスク管理には課題が残りました。

森保ジャパンは、もう「強豪相手に守って耐えるだけの日本代表」ではありません。

相手に合わせて戦術を変え、勝点を計算しながら大会を進められるチームになっています。

だからこそ、次に必要なのは「惜しかった」で終わらせない力です。

グループリーグで見せた柔軟性と、ブラジル戦で見せた強度をさらに高められれば、日本代表がW杯ベスト8以上に届く日はかなり近づいていると言えますね!

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